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知の教科書 スピノザ
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著者チャールズ・ジャレット

 

翻訳石垣憲一

 

言語英語→日本語

 

判型四六判 /336ページ 

出版社講談社

発売日2015.1.10

17世紀のオランダの生んだ大哲学者・神学者スピノザの著作は、その進歩的思想により、刊行当時禁書とされました。
18世紀後半になると、「汎神論論争」が起こり、スピノザの評価が大きく変化します。ヘーゲルは、スピノザがあらゆる哲学の出発点となったと宣言し、ニーチェはスピノザに先駆者の姿を見出しています。二〇世紀、フロイトやラッセル、アインシュタインもスピノザを評価しています。二〇世紀後半には、スピノザ・リバイバルが起こります。これはフロイデンタール、ゲプハルトらによる初期の歴史研究、原典研究に依っています。バリバール、ネグリ、ドゥルーズなどの現代思想家たちも影響を受けています。スピノザの思想の重要性は、現代において増大しています。
しかし、スピノザの思想は、ハードルの高いものです。というのもスピノザの思想は、形而上学、精神哲学、認識論、倫理学、政治哲学といった哲学的主題から、宇宙論や心理学、物理学までと幅広いこと。そして主著『エチカ』は、中世後期のスコラ哲学の語彙で書かれ、「幾何学的な秩序で」提示されることからも、大変難解です。
本書では、スピノザの生涯と思想形成をたどり、『エチカ』『神学政治論』『国家論』といった主要著作の概要がつかめるように、おおきくまとめて語られます。スピノザ入門(初級・中級)の決定版です。